童友社・ミニトレインセット「Bタイプ」

 

昨年末のこと、久しぶりに見たオークションで偶然見つけ、興奮しつつ入札したものです。
競合者も居なく、開始値で落札いたしました。


最初の日記
及び2011年の日記にも書きましたが、初期TOMIX(トミーナインスケール)の劣化版のようなバックマンOEM製品で、収納ケースを兼ねた電池式(単25本)パワーパックで遊べます。ただし私が子供の頃及び10年ほど前に再び見つけた製品(以後「Aタイプ」と表記)

とは違う製品のようです(写真右・ここでは以後「Bタイプ」と表記)。

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A
タイプとBタイプの特徴として、
0-4-0
:(A)ボイラーが灰色・(B)ボイラーが黒
炭水車:(A)(B)共に同じ
貨車:(A)黄緑色の無蓋車・(B)濃茶色の有蓋車
カブース:(A)ワイン色・(B)黒色
固定線路:(A)緑色・(B)茶色 (なお線路自体は共に金色)
電池式パワーパック:(A)(B)共に同じ

詳細は不明ですが、有蓋車のスペースが両方にあること、塗色的に日本型に近い配色であることから、(B)タイプがメインだったのかもしれません。
なお、今回手に入れた(B)タイプは車両自体は簡素な組み立てと無塗装が目立ちますが、車両自体は欠品はないようです。ただし、直線線路及び接続フィーダーはありません。

初めて買ってもらったNゲージから30年以上経って別バージョンがあったことに驚きです。
では、このオリジナルは・・・?
そして、この機関車の正体は・・・?

「鉄道模型老古学」などの文献でも見つからず、海外サイトや「Nゲージ蒸気機関車」などのウェブサイト上で僅かばかりのヒントがありましたので推察してみました。

当時のNゲージ事情をご存知の方も、そうでない方も居るでしょうが・・・もう少しお話にお付き合いくださいませ。

 



 

現在は屋根裏部屋で埋もれて行方不明中ですが、昔に中古で手に入れたトミーの機関車セットです。(写真が小さいものしかなく見にくいですが・・・申し訳ありません)

パワーパックのデザインから、黄色のものでは前期のほうのものだと思います。当時家にあったパワーパックは青色文字で洗練されていたものでしたので、これは最後期のだったのでしょうか?

Baltimore and Ohio Railroad(B&O): C-16A 0-4-0shifter & tender“」機関車+炭水車と貨車(無蓋車・有蓋車・タンク車・カブース)と道床なし線路、パワーパックです。
詳細を調べたところ、[Nゲージ蒸気機関車]より、0-4-0 dockside 型のセットもあったみたいですね。「運転儀式」も含め、実に詳しく書かれております。
(
以下外部リンクになります)
http://www5a.biglobe.ne.jp/~toyoyasu/d040set_1.htm


とはいえ系譜的にはタンク型であるC-16Tdockside”の方が元祖というか基本形式であるようでして、“shifter & tender C-16Aはテンダー改造の亜種(No.96No.992両のみ)という扱いのようです。
(余談ですが「T型」とか「A型」とか、戦闘機やモビルスーツのバリエーションのようでワクワクしますね。()


また、国内における改造機という扱いで云いますとテンダー機である「ネルソン」をタンク機に改造するなどの事例がありますが、逆の例も黎明期にはあったのではないかと思います。判りやすく例えるならC-12改造でC-56作っちゃいました・・・みたいな感じでしょうか?
ともあれ、この少数改造のテンダー機が模型として脚光を浴びることになったのはC-16Tdockside”の足回りをそのまま流用できるという製品バリエーションの都合・・・というのが正しい解釈かもしれません。

ナインスケール製品に話を戻しまして・・・これは70年代の前半頃、TOMIXブランド発表前の時代のものだと思います。(なお、パワーパックについては経年変化(接点等の腐食劣化)のおそれがあり通電後ショートする事例があることから使用不可、としています。)

で、内容的に童友社のセットの元になったものこのハードプラ製の車両ケース兼のセットからタンク車を抜いて(有蓋か無蓋か1両にし)パワーパックを電池式の簡素なものにして、車両自体も無塗装で簡素な組み方(歪んでるし接着剤出てるし・・・)をしてコストを落としたんでしょうか?
機関車を見ると、ロッド類が灰色プラ成型です。所有している0-4-0 docksideも灰色プラですね。

これまでが、自分なりに推察した0-4-0機関車の経緯です。
その後、TOMIXとして本格的に国産型鉄道模型(でも香港製)にシフトする事になり、この機関車はキャブ付近の形を変えてつい最近までバックマンブランドとして海外で流通し続けました。


そんな長い考証を終え、童友社Bセットを運転です。
ケース兼の電池式パワーパックは安全性に不安があるので、ニシザワのパワーパックとミニカーブレールを使って試運転です。
電圧を掛け車体を押さえつけながら軽く前後させるとジーと音を立てて、特有の機械油の香りを立てながら動き出します。


この機関車セットも私自身の鉄道模型趣味のルーツなので、大切に扱っていきたいと思います。

国内ではCタイプディーゼルがいまだに人気があり度々再生産されるのですが、これらの機関車についても、国内流通して欲しいな・・・と強く願います。


長々と書いているうちに読みづらいところがあるかもしれません。昔のNゲージはこんなだったんだよ・・・という記憶の泡沫を書き記してみました。

最後に、これらの機関車について、何か誤っていること、新たなる情報などがありましたらアドバイスいただけると恐縮です。

2012/01/0910掲載