『幻』の複線プレートダブルクロス・踏切線路をつくる
カトーのユニトラック線路システム。
その中で10数年前に発売された『複線プレートシステム』、これまで線路セットといえば単線の組み合わせしかない時代でしたので、簡易に線路周りがリアルになり、簡単に複線が組めるという意味で画期的で目からウロコの商品でした。
高かったですが・・・我が家でも大枚叩いて早速基本セットを買い、屋根裏部屋の走行スペースに組みこみました。

ところが・・・当時色々なバリエーション展開を広告していましたが、複線ホームと駅舎以降サッパリ販売されず・・・
仕方なくポイントや勾配等の単品線路をあちこちに組み込みましたが、パッチワーク状態で複線プレートの体を成さず、昨年再び組み立てて追加購入しようとお店に行ったら既に販売終了という有様でした。
現在の走行ベースは複線プレートの楕円に複線両渡り(ダブルクロス)を組み込んだシンプルなものです。
フィーダーは単系統を分岐で両周回に振り分けています。ダブルクロスで交互に内周・外周を回り、結構遊べます。

ところが、先述の通り複線プレートシステムにはダブルクロス線路は企画されていましたが、結局発売されていませんでした。
ただし、当時のパンフレットを見ますと、既存のプレートを加工すれば同様のものを作る事が出来そうです。

工作自体は大したものではありませんが、複線片渡り線路も出来たことですし、同様の工作で作る事が出来そうなので参考までに載せておきたいと思います。
イメージ図です。
複線ダブルクロスは310mmですから、バラ売りである複線プレート直線線路186mmと複線プレート直線線路124mmを1つずつ組み合わせ、310mmのプレートにします。

当時のパンフレットの試作品も良く見ますと、1本プレートの成型ではなく186mmと124mmを組み合わせた形跡が見えます。
それぞれの直線線路の単品は2本セットでの販売ですが、186mmの方はダブルクロスの横に置くと496mmとなり、複線プレート直線線路248mm×2セットと同等になります。
(124mmは・・・1組余っちゃいますね)
今回は更に124mmをもう1セット買い、奥行きを増やすために曲線の間に挟む事にしました。

とはいえ既に絶板のものですから、ネットで何とか掻き集め購入しました。

レールの加工に入ります。
まずはねじを外し、レールを取り外します。
このままダブルクロス線路を取り付け・・・と行きたいところですが、残念ながら複線線路間に高さ約2mm程の突起(中央分離帯?)があり、線路間のないダブルクロス線路では浮き上がった状態になってしまいます。

この部分を削らないといけませんが、軽量に作られているために大きな隙間が空いてしまいます。今回はそれを利用し、表裏両側からカッターナイフを徐々に当てるようにして削ぎ落とすようにカットしていきます。

カットすると、ぽっこりと開口部が開き、途端にプレート自体の強度がなくなります。

そこで、カットして不要になった突起を簡単に整形し、そのまま裏側に貼り付けて補強します。(なお、普通にプラ板を採寸しカットしたものでも構いません)

複線ダブルクロス線路にもネジ穴があり、あわよくば複線プレートの穴に合わせてネジ止め出来るかな・・・と思いましたが、残念ながら位置が合いませんでしたのでネジ穴の突起も削ります。
すっかりフラット状態になったところで、あらためて複線ダブルクロス線路を合わせてみると、まるで製品のように見えてきます。若干の誤差があったら削るかプラ版を貼り足して・・・なんて考えてましたが、修正の必要もなくジャストサイズでした。
ポイント制御用のコードの逃がし口を作ります。ポイントを仮置きして印を付け、ピンバイスで開口し、カッターで周囲を成型します。

また、フィーダープレートと同様に外側に出すための切り欠きも作ります。


線路側の端部にあるネジ穴は複線プレートと全く合わず、また中央駆動部の大半を金属性の蓋で覆っているため、ネジ止めは不可能です。

故障時のメンテナンスや元の線路への復旧も考えて、両面テープでの固定としました。

作成中に以前中古で買った踏切線路(2個入)が出てきました。
(当時のグッドデザインマークが泣かせますね)

幸い複線プレートの124mmが1つ余っているので、もうひとつの『幻』製品を作ってみる事にします。

まずねじを外します。
今回の線路はねじ距離が同一ですので、そのまま踏切線路に交換し、ねじで仮止めします。
線路部分に関しては何の干渉もなく、脱線防止として実用本位で使用するならこれだけで充分です。

踏切の渡り板部分を組み込むには複線プレートへの加工が必要です。

まずは線路への接続フックを切り取り、実際に置いてみますと・・・

中央分離帯部分は約1mmほど出っ張ります。これは渡り板側を削って対応します。

また、両端のアプローチ部ですが、側溝及び架線柱基部が当たって浮いてしまうので、複線プレート側を削ります。
仮置きした状態でカッターで印を付け、複線ダブルクロスの時と同様に表裏からカッターでなぞっていき、切断します。その後に架線柱基部も取り除きます。
切り取り後の姿です。

この状態でも若干浮いてしまうので、中央分離帯同様に裏面を紙やすりで削り、線路と面一にします。

最後にコンクリート防護柵を設置します。曲線用の余ったものを加工して取り付けました。

無事成功しましたので、これも走行ベースに組み込みます。
他の追加線路と合わせて走行ベースに設置しました。

ここまで頑張って作ったので、当初から(切り出すのが面倒で)設置していなかったコンクリート防護柵を購入線路付属分と合わせ、足りない分は購入し複線プレートに設置しました。この切り出しに相当苦労しましたが・・・
(合わせて架線柱も設置しましたが在庫がなく、今回は曲線部のみ)
私が最初購入した複線プレートは灰色の素地に線路部分はバラスト風に塗装していたものでしたが、追加購入したものは現在の線路と同じ、バラスト様に練りこんだプラ素地で側溝等は塗装しています。
近くで見れば気が付きますが、言われないと分からないレベルです。
それ以前に線路が古いものや変色しているものがあって、色合いはバラバラなのですが・・・
10数年越しの願いであったAll複線プレートでの周回線路に感激です。やっぱり複線プレートはこうでないと!
全景を撮影しましたが、苦労して取り付けた柵が全く目立ちません・・・
(施行前)
↓
(施工後)
なお、走行スペースがやや大きくなったので、以前購入したユニトラックコンパクトを使って周回軌道を追加しました。
制御はパワーパックDXの余った系統を利用し、ミニ規格やナローものはここで走らせるようにします。頑張れば同時使用も可能ですが、それぞれの速度の協調は取れません。
今後は追加のコンクリート防護柵や架線柱、ストラクチャーを少しづつ設置していきたいと思います。あとは赤い走行ベース地を何とかしたいですね・・・
2013/01/07〜18掲載

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