キハ40000の製作


先月の事ですが、中古で津川洋行のキハ40000を購入しました。


津川の(ちょっと前の)製品というと取り上げる素材(テーマ)は秀逸ながら、残念ながら仕上げがイマイチ・・・という印象です。

この製品も気動車旧塗装なのですが、色合いもイマイチ、マスキングもイマイチ・・・と残念な仕上がりです。おまけに車輪も錆び付いてしまってます。
(余談ながら昨年に発売されたツインモーター仕様のキハ40000も塗装は同様にイマイチです・・・)


とはいえ、ちょこっと加工すれば良くなりそうです。以前製作したキハ07も鉄コレモーター動力化でとてもお気に入りですし。

少しづつの作業なのでちょっと長くなりそうですが、オリジナルに仕上げていきたいと思います。(育児の合間なので途中中断もあります)

津川の無動力の車体を手に入れた人の多くが悩むのがどう動力を仕込むか・・・だと思います。古くはGMのブリルから、鉄コレ、Bトレ動力、オリジナル・・・・

一番手っ取り早いのが鉄コレの12m動力を使う方法です。

スッポリはまり、とりあえず動くという観点から見ればとても簡単です。(床板接続ダボ及び屋根ガラスの切削加工程度で完成)
ただ電車用の下回りで台車も中心寄り、エンジンスペースもなく気動車の床周りの移植は困難です。

少し手間は掛かりますが、15m動力を幅詰めして台車を外側に寄せようと思います。
鉄コレ15m級動力ですが、おおよそ測ったところ、動力を12mm程詰めると良さそうです。

その前に・・・床下中央にあるウェイト箱も切り落とします。なるべく下に重心がある方が良いのでしょうが、ここにエンジンがあるのとないのでは見た目がぜんぜん違います。

幅詰めは6mmのマスキングテープを並べて2つ貼り、これをゲージにしてカッターで溝を付けながら切り落とします。軟質のプラですから簡単に切断できます。

切り落とした部分をサンドペーパーで整形し、瞬間接着剤で接着します。

集電板は中央付近でカットします。はさみで十分です。カットした集電版は重ねて再セットします。あとは元通りに動力を組み上げ完成です。

床下のウェイトは絶縁のうえ非動力側の集電版の上に両面テープで貼り付けてます。


車体の方に取り掛かります。
動力に車体内側のガラスが干渉しますので一部カットします。

車体は屋根と接続するランナー?を切り取ります。

素組みでライト周辺の屋根板端部が浮くのはこの部分の干渉が原因です。


塗装剥離作業です。
イソプロピルアルコール(ガソリン自動車用水抜き剤)に漬けて塗膜を落とします。
今回はジップロックに入れて漬け込んでいます。


Σ(゜ロ゜)!!

写真を撮ろうとした途端、我が家の三女が襲撃・・・・危うく袋をまれてしまうところでした。

犬も居て、乳児も居て・・・細かい物も落とせないので作業には細心の注意が必要です。

袋と一緒にお風呂に入り、あっという間に塗膜が剥がれていきました。どういう原理かは分かりませんが、凄く便利で助かります。


剥離塗装が終わり、工作に入ります。

屋根上ですが、ベンチレーターがイマイチの造形ですので取替えます。既存のモールドを削る前に中心に穴を開けます。

交換するベンチレーターはグリーンマックスの客車用です。

丁寧に切り落とし、裏側(接着面)の中心にマジックで印をつけ、穴と印が合うようにして接着します。

また、屋根裏両端にある前照灯の取り付け穴は余ったプラランナーで塞ぎます。


台車は本来TR2728なのですが、鉄コレベースで再現するのは困難です。

「乗り心地向上のため台車を振り替えた」

という事にし(機関との接続上出来ないのかも知れませんが・・・)20m級気動車のTR29の台車レリーフを取り付けました。

このレリーフがあれば以前製作した津川キハ07もオリジナルに作れそうですね。

もともと軸間のバランスも考えて車体を詰めたので、あまり違和感は感じないかな・・・と思います。


車体のほうはバリを落とし、銀河モデルのテールライトを取り付けました。

床下の移植です。

津川の床下パーツをひとつひとつ整形し、動力下に取り付けます。そのままでは入らないので適度に配置をアレンジしました。

床下にエンジンが見えるととても様になります。

(電池箱が少し斜めになっていたので撮影後修正しました)

 

車体を塗装します。
我が家では犬も乳児も居るので塗装作業は当然、屋外些少になります。なので天候コンディションが非常に重要です。
しかも土日の限られた時間・・・交代で育児を行っていますので、【失敗】→【やり直し】・・・という時間のロスはしないように十分にチェックしながらの作業です。

今回はオリジナル色でありつつも良くありそうな・・・とすべく、暗緑色とタンの標準的な塗り分けとしました。ガンの調整を行い、少量ずつ吹き付けていきます。


幸いにもマスキングはみ出しもなく、一発で完了しました。

 

屋根板は銀河モデルの前照灯を取り付け、エナメル系のグレーで筆塗り塗装します。

最初ハンブロールで塗装したのですが、塗料が古く荒くなってしまったためやり直しました。
床下は同じくエナメル系のフラットブラックで塗装します。


カプラーは最初鉄コレ動力付属のものを使いましたが大きくはみ出したので、鉄コレ自体に付いている略式カプラーの奥をカットして短縮加工したものをセットします。ダミーカプラーの方が良いのでしょうが、貨車も牽引したいので・・・

テールライト・ヘッドライトのレンズを取り付け、各部を組み立てて完成です。なお、固定は両面テープです。


新年初となる車両工作、育児の合間を縫って久しぶりに手を掛けることが出来ました。
古い・そして難のあるキットですが、少し手を掛ければお気に入りの車体になると思います。
(
素材は本当に良いんです。ある意味GM以上に「つくる楽しみ」を与えてくれる会社です())
  


12m
級と程よい大きさの車体なので、ミニレイアウトで活躍しそうです。また手に入ったら2両目はバケット付きを作ってみたいですね。

 

2012/02/0724掲載