井中駅リニューアル工事(1)

 

『井中駅』といえば・・・皆様お馴染みのあの駅舎です。
どこかにありそうでない、なさそうである、みたいなイメージの駅舎です。


発売されて30年以上、単行から延長ホームパーツを足して6両くらいまで、お座敷レイアウトから固定レイアウトまで・・・手頃に使えるベーシックなアイテムとして未だに人気のあるストラクチャーだと思います。
(カトーのローカル駅舎も持っているんですが・・・小判レイアウトでは規模がちょっと大きいです。街並みコレクションのは成型が惨く使い物にならない印象です。)

ご多分にもれず、我が家でも初期から愛用しているアイテムです。高すぎるホームを基部から1段分切断して嵩下げ?加工をしたり、所々補修したりして四半世紀もの間、現役で使用しております。


ただ、走行スペースに配置しているストラクチャー類が街並みコレクションなのでプラ素地の木造駅舎は違和感があり、また埃が被って各部が痛んできていているのでこの機会に・・・とリニューアルすることにしました。

まずはホーム上にあった人形等を取り外して分解し、ブラシで洗浄し乾燥します。

 


乾燥しましたら駅舎を分解します。

この木造駅舎の塗替えを困難にしているのは駅舎と屋根との接続です。これは2本のダボで繋がっている(非接着)だけなのですが、非常に硬く、普通に引き剥がそうとすると屋根を傷めてしまう恐れがあります。

ここは25mm程度のドリルで駅舎屋根側の成型抜き穴を広げるような形で駅舎側のダボを壊す方法が有効です。(軽く差し込める程度の余力はありますので完全に除去しなくても大丈夫です)


外壁塗装に入ります。

使用したのは水性カラーのウッドブラウンです。明るかった印象の駅舎がグッと落ち着いてきました。


屋根はアクリルガッシュの藍色です。写真だと明るく見えますが、乾くと落ち着いた藍色になります。


ホームは・・・グレインペイントの明灰色をペタペタと多少ムラになるように塗り込めます。

仕上がりは(ややオーバー気味ですが)ザラついた感じになりプラの素地から大きく印象が変わります。

さて、以前から言われていたことですが、この木造駅舎「井中駅」には便所がありません。
所有していて分解してみた方は分かると思いますが、駅員スペースにも待合スペースにも見当たりません。
その割にキオスク(の様な販売小屋)は有りますが、この規模の駅には不釣合いです。
(最近の木造駅舎ブームでちょっと様相が変わってきてますが)


今までは街並みコレクションの「便所・詰所(と駅前交番)」を駅脇に置いて待合客及び駅員はそちらに出向いて(笑)頂いておりましたが、今回のリニューアルで構内に便所を設置することにしました。



まずは下地の作成です。
駅舎の下地、待合室側の基礎台から先の部分をカットします。残念ながら売店は廃業して頂き、他の機会に転用することとしましょう。
カットした路面は取っておきます。


街並みコレクションの「便所・詰所」は一旦分解してベース部分にします。先ほど取って置いた路面をゲージにして同サイズに切り出します。両面テープで貼り付け、カッターで何回か溝を付け、折り取れば簡単です。


ここで考えたのは、「入口はホーム側か、それとも正面側か」ということ。今までの経験から半々くらいなんですよね・・・
資料等を読み返すと、ローカルであるほど、そして規模が小さいほど正面側を向いているように思えます。通りがかり?の方も使いやすいですし、正面側にしました。


仕上げた便所下の下地は木造駅舎にピッタリです。擦り合わせを行い接着剤で固定します。
乾いたら駅舎ベースを駅ホームに固定し、グレインペイントを全体に塗りこめて段差と素地の違いを埋めるようにします。

 

便所本体ですが、これがクセ者でして、じっくり見れば見るほど歪んでます(側板が下側に広く台形をしている)。

横のカッチリしている木造駅舎に比べて違和感を感じたので、なるべく箱型になるように削ったり曲げたりしながら矯正します。

(なお、気にならなければこの作業は不要です)

便所及び物置も駅舎同様にウッドブラウンで塗装します。

駅舎の窓枠ですが、製品は一体型の無塗装で、今の目で見るとつらいものがあります。
ガンダムマーカーの茶色で窓枠をひとつひとつなぞり、クリアーで保護しました。


現在の時点の状況です。(窓は未取付)
かなり洗練されてきたように思います。



2012/10/09
16掲載