KATO旧D51ヘッドライトの点灯化

 

皆さんが既に行っているであろう定番ともいえる旧製品の点灯化ですが、なかなか手が出せずにいました。
理数系ではないので電気周りの知識がなく、また工作力も余りなかったものでして・・・
もちろん失敗すると車体を傷めることになり、立ち直れないほどのダメージになる(笑)というのも大きいです。

今回中古屋で旧製品を見つけました。野口さん二人分と安価だった割には非常に状態が良く、ロッドやランボードのラインも綺麗です。走行させてみると動揺もなく非常にスムーズで、実際車輪を見ても走行歴も殆どないものでした。


そんな状態の良いD51を見て、重い腰を上げ、実践してみることにしました。
LED
もずいぶん出回ってきていますし、最近は子供のプラレール修理の関係でモーター換装なども行っているため、半田ごての扱いも慣れてきました。

先人のお知恵を拝借・・・となると、やはり『Nゲージ蒸気機関車』様のサイトが一番参考になります。その中の「蒸気の工作」から、
http://www5a.biglobe.ne.jp/~toyoyasu/d51lp.htm
KATOD51を点灯させる)
http://www5a.biglobe.ne.jp/~toyoyasu/leda.htm
(単純なLEDライト)
http://www5a.biglobe.ne.jp/~toyoyasu/m110925.htm
(ガンプラ用パーツのライトレンズ)
を参照に製作することにしました。

もちろんリンク先の一番上の麦球での工作が一番簡単なのですが、12V電球というのは私の周囲ではなかなか手に入りません。また少量の光ケーブルも手に入りません。
今回初めてであり試作的要素の強いこと、また今後の為を見据えて・・・「確実で継続的に供給できる」家電量販店の電子工作コーナーにある白色LEDと抵抗のセットを、また光ケーブルの代わりとなる透明アクリル棒を使って工作を行います。
(ですので手数も掛かっていますし、ライトユニット自体も大きいです。)

 


まずお断りしておきますが、私は計算が非常に苦手で、Ωの法則と云うのがよく解りません。
抵抗値についても計算が出来ませんので上記リンク先の記事等を参考にしました。

白色LEDセットに入っていたのは3mmLED5個、200mAの抵抗10個です。添付の説明書によると10Vちょい手前ですので、200mAの抵抗を直列に2個つなげばOKのようです。とはいえ不安ですので複線プレートの内周でD51を走らせ、仮組みしたLEDを外周に当て、点灯試験を行いました。結果は良好で、かなり早い、蒸気機関車としてはあり得ない速度を出しても安定して点灯するのを確認しました。また逆向きでもLEDの破損はありませんでした。(基本逆向きにはしませんが、ないとも言えませんので・・・)

 

 

点灯装置の組み立てです。抵抗の一つの線を根元から上下逆向きに曲げ、もう一つは片側のみ根元から曲げて2つを並列に両面テープ上に並べます。片方の抵抗の線が重なるようにし、プラリペアで2つの抵抗を固着します。
LED
も脚の短いマイナス側を曲げ(プラス側は間違えないよう赤いペンでマーク)、2つの抵抗の上に乗るようにし、片側の抵抗の線と重なるようにします。
半田ごてを温め、抵抗の重なり合った場所をハンダ、そしてLEDと抵抗の重なり合った場所をハンダします。


冷えて重なりましたら余分をカットし、LEDのプラス側を進行方向右側(非公式側)、抵抗のハンダされていない末端を進行方向左側(公式側)にします。

次に照明ユニットを置くためのスペースを作るため、動輪上の重りの前端を切り取ります。切り取り場所は第一動輪直上、裏返してミゾのある場所です。切断はタミヤの工作ノコで簡単に出来、金属やすりで整えました。


ライトユニットを置き、カットした重りを乗せた後に走行線上に置き、点灯を確認します。なかなかうまく点灯させるポイントが見つからずに苦労しましたが、見つかりましたらずれないようにマスキングテープで押さえておきます。

 

 

車体側の加工に入ります。
手引き通りにライトから斜めにドリルを・・・

あっ。

ドリルが中でねじ切れ、ピンバイスには無残にも根元のみ・・・折れたドリルはプラの中で回収は困難になってしまいました・・・

仕方なく別のドリルで続行しようとしますが、中のドリルが干渉して先に進みません。仕方なく角度を変えると・・・

ああっ。

浅い角度でのコース取りとなったため、給水温め器の後ろ、そして煙突内に飛び出てしまいました。(写真は修整後の貫通状態が分かる写真)
最終的に車内に貫通するも照明ユニットからも遠い場所となったため、今度は内側から、やや中心点からずれるように(埋まったドリルがあるので)して少しづつライト側を目指し、給水温め器下で接続に成功、安堵しました。

 

(給水温め器後ろからの穴は1mmプラ棒をさらに削って通りやすくし、内側から押し込んで接着剤を流して埋め、エナメルの艶消し黒でタッチアップしました。)

 

 

LEDからの導光ですが、2mmの透明プラ棒では当然通りませんので、0.80.9mm程度に細めます。
ライターで炙り、5秒ほど経ってからゆっくりと伸ばします。(すぐに引っ張ると役に立たない極細の線材が出来ます)
いくつか作り、良いサイズのものを決め、伸ばした細い方を煙室扉側、伸びきらなかった軸の太い側がLED側にします。(写真の導光部品は上下逆です)

 

この透明プラ棒は素材が柔らかく、曲げも簡単なのでへの字に曲がったコース取りとなった今回の場合でも簡単に通りました。本体カバーをして現物合わせで導光側を曲げ、灯火を確認・位置決めし、固定します。

固定前の作業ですが、ライトケースを2mmのドリルで軽く拡張し、ライトレンズケースを収める枠を作ります。ライトレンズはウェーブのHアイズミニ(家にあった)の2mmを使い、はめ込みます。

 


いったん仮組みして点灯・・・導光は問題なさそうです。

 

 

灯火が確認できましたが、白色LEDなのでライトも青白いものです。茶色のマジックでLEDを直接マーキングします。

 

(最初導光側に塗りましたがLED側の方が良いみたいです)

 

蓋(車体)を被せて最終チェック・・・電球っぽい薄橙の明りが灯り、感動的です。最初に開けてしまった場所を含め、他の場所の光漏れも無さそうです。
常点灯モードではホンノリと灯り写真映えします。


今回の作例を参考に、他の非点灯の蒸気機関車、または電気機関車も点灯させてあげたいですね。まだユニットは4つ分余っていますし。


2015/03/1016掲載