チビ凸の動力換装

 

KATOのポケットラインシリーズは子供の頃に「フリーランスの入門用」として発売され、そのお値ごろ感もあり買ってもらったものです。

近代的な路面電車風のチビ電、保線車両のようなチビ凸、1号機関車の様なチビロコの3種類が発売され、マスコット的存在として活躍しました。

とはいえ動力性能がイマイチ(ポイント無しの円盤型なら良いのですが)。線路上で立ち往生してしまう事も多々あって大きなレイアウトでは使えない事も・・・


昨年再販されたものも若干の違いはありますが動力性能は同じようなものです。補重すると良いという話もありますが、やはり2軸集電がネックのような気がします。
再販されて気軽に購入できる事もあり、前々から思っていた4軸集電にチャレンジしてみようと思います。
とはいえまだ子どももまだ小さく、工作時間も限られるので必要最小限、元のイメージを損ねない加工に留めます。

使うのはBトレ用の動力です。たまたま安いのがあったのでこれを使います。

全長はほぼ同じですが全幅がやや狭いです。ランボード部分の幅増しが必要ですね。


まずは単純に乗せてみます。当然ながらあちこち干渉します。どれだけ削るか現物合わせで作業を進めます。


まずボンネット端の傾斜部が干渉するので動力カバー(白色部分)両端をカット、少し下がりましたがまだまだ。動力中央の押さえ爪付近とボンネットが干渉するので1mmほどカット、かなり下がりましたがもう少し・・・

面倒なので動力カバーは側面の集電版押さえを残して使わず、モーターは接着剤で固定しました。おもりの代わりに補重が必要ですね。


車体側は側面及びボンネット部分のモーターが干渉する部分を削ります。使ったのは100円ショップで売っていた彫刻刀です。

 

すっかり別物になってしまった動力。でもここで引き返す訳にはいきません。

両端の梁の部分は余っていたD-51エンドビームASSYを加工して接着します。

煙室扉前の部分とダミーカプラーポケット下部をカットし、接着します。


本当はランボードと面一になるのが理想的ですが、強度と手軽さを優先しました。
側面ランボードは1.0mmプラ棒を2つ接着して1.0×2.0mmに加工し接着します。

 

床下機器はグリーンマックスの旧型客車の床下機器から、乗務扉下のステップはグリーンマックスの信号機のハシゴを加工し接着しました。


乾いたらランボードをタミヤエナメルのフラットブラックで筆塗り塗装。現在は犬と新生児がいるため、臭気の問題から塗装はエナメル塗料しか使えないです・・・

牽引力を向上させるべく補重を行います。おもりはホームセンターで売っていた音楽機器用の裏面に両面テープの付いた板鉛です。キャブ窓部分は黒く色を塗った紙を挟み、中に鉛を重ねたものを貼り付けます。

床下の空間にも同様に補重を行いました。


各部の組合せを微調整後、車体をゴム系接着剤で固定し、完成です。

走行性能も良好、補重の効果もあり貨車もラクラク牽引できます。

見た目は元のチビ凸のよう、無加工でケースにも入ります。なるべく原型を損ねないような加工を試みたため、普通のケースから出して走らせても、パッと見では分からないかも・・・

今後は・・・手すりをつけたりライトを加工したりするのも楽しいかもしれません。


余禄ですが、別方法でもう1両作成したので載せておきます。(車体はまだ未塗装)
違いはランボードを全周に渡り新規作成しました。12mmのプラ板を切り抜き、動力部をくり貫きます。あとは集電部とかの接触部を現物合わせで削り、瞬間接着剤で固定します。

 

側面のランボード下は大型クリップを切って接着しました。D-51エンドビームは同様の加工を行い端部に接着しました。


この方法ですと車高が若干高くなるのでキャブ内部を削る必要がありませんが、基盤及び集電板を独自で固定するため調整にシビアなところがあり、加工レベルの高い人向け・・・だと思います。(それくらい絶妙なバランスで組み合わされている動力ユニットなのです。長く使っていく為にも出来れば動力部の加工は最小限で収めたいものです)


 

 

2011/06/2127掲載