連接型車両の軽改造

 

ジャンク品の京阪びわこ号(晩年塗装)を購入しました。
走行は問題ないものの、双方の集電ポールや排障器が欠品です。補修できないパーツだからか格安でしたので迷わず購入です。

 

どう改造するか・・・と分解・・・

分解してみて気付いたのですが、照明ユニット付近がガッチリ接着されていて、その影響で窓も外せません。
小型車両ですし動力もシビアな方ですので、走行性や照明を生かし、簡単な改造・塗装変更に留めることにしました。

イメージ作りをするため、製造メーカーのイラストを引用しパソコンで色々いじってみます。

 

とりあえずゴチャゴチャ感を無くすべく、屋根のランボードを撤去、すっきりとした屋根にします。
そして、関連する正面のポール巻装置?も無くします。これでシンプルなパンタグラフ式の連接車両になりそうです。

これだけですとただのポール撤去しただけのびわこ号です。今回はちょっとだけ、下部のあずき色?の色合いを変えて、フリーっぽくします。
色々な色を試してみましたが、窓周辺の黄色・・・というか薄橙色が濃くて印象が強すぎ、カラーリングがマッチしません。赤系ですと80系新潟色か修学旅行色、緑系だと新潟交通、青系だと旧小田急色・・・のように、既存のもので「インパクトの強い」車両色となり、どうもしっくりとしません。

そんな中、薄い水色にややパープルを混ぜたような、電車的には意外性のある色合いが気に入りました。完全に水色だとオモチャっぽいですが、控えめなこの薄水色は窓周辺の薄橙色とも喧嘩せずに調和しているようです。


完成予想図も完成(今回はたまたま、いつもは現物合わせが多いです)し、いよいよ制作に入ります。

 

車両を細かく分解し、動力と分けます。動力は非常に小さいですね。東急の芋虫、そしてグリーンムーバーの経験があるからか、とても手堅く作られています。

屋根上のランボードを撤去します。車体を傷めないように、爪楊枝を隙間に差し込みテコの要領で一つづつ外していきます。屋根に開いた差し込み穴はランナー引き伸ばし線を差し込み、接着後切り取ります。

 

撤去後の屋根は支持台が残っています。この支持台を削ります。デザインナイフを使い、周りを傷つけないように削ぎ落としていきます。最後はサンドペーパーで仕上げます。
同様に運転台前のポール巻装置?もカットし、仕上げます。

 

おおむねの加工が終わりましたら塗装前段階です。今回は窓周辺の地色を生かすので、塗り分け部分を丁寧にマスキングします。境の部分には1mmの細いテープでしっかりと押さえ、その後6mmのテープを重ね、扉の段差部分はマスキングゾルを塗り、塗料の入り込みを防ぎます。

最後に1cmのマスキングテープで車体内部を完全に覆います。

このびわこ号はライト点灯のため照明装置が組み込まれているのですが、接着剤で固定されており窓ガラス等も外すことが出来ませんでした。そのため吹き込みや流れ込み等の失敗は許されませんのでマスキングは非常に気を使いました。
大病の後で視力がなかなか戻らないなか、辛い作業となりました。

 

いよいよ塗装です。
当初のイメージイラストを持参して模型売り場に行き、Mr.カラーの『エアスペリオリティーブルー』がイメージに合いそうなので購入、また屋根はイラストでは灰色をイメージしていましたが、同じ赤褐色にしました。暗色だと多少の加工凸凹痕が隠せるという不純な理由です。(笑)


今回の塗装環境は・・・グンゼのプチコンプレッサー+吸い上げ式のバジャー350(タミヤ)の組み合わせです。たぶん買ったのは20年以上前、1回くらい使って放置されたものですが、アクリジョン塗料試験の際に「単純で小規模なベタ吹き」なら十分な結果が得られたので、小圧力のプチコンプレッサーで試してみることにしました。


最初にエアスペリオリティーブルーを吹き、乾燥後は屋根を境にマスキングし、赤褐色を吹きます。乾燥してマスキングを剥がします。

 

幸いにも吹き込み等はなく、綺麗に出来たかな(あくまで自己基準)と思います。敬遠しがちな吸い上げ式でしたが、意外に使用価値の高いものだな・・・と購入後20年経ってあらためて評価しました。まぁ使用後の清掃は大変でしたけれど。

 

このままでも十分な出来ですが、明るい色合わせのせいか玩具っぽい雰囲気になっています。
加工のついでですので、簡単に汚しを掛けます。
汚しは単純にエナメルスミ入れ塗料のブラウンを流し、乱暴に拭って・・・の繰り返しです。明るいグレーの台車も軽くスミ入れしています。

 

この車両はシルヘッダーのある車両なので、キツ目に汚しました。凹凸が目立ち実感的になりました。後で実車両の写真を見ると…それほどでもなかったですね(笑)


簡単な改造ですが、最初の思惑通りに加工できて大満足です。ミニレイアウトでの常連車両がまたひとつ出来ました。

 

 

 

2014/09/12 掲載