40年前の模型で遊ぶ

 

先日中古で香港バックマン製のトータルセットを購入しました。


40
年位前の製品と推察されます。
当時は積水金属が国産Nゲージを展開させていた黎明期であり、追随するトミーも独自製品で展開する以前の頃です。
もちろん、日本規格に合うパワーパックを調達し、車両や線路も含んで収納できるボックスを拵える必要がありますから、かなり意欲的であったと思います。このパワーパックはトミー名に代わり初期に流通しました。
(余談ながら・・・同時期に発売されていたリマ製品は日本規格に合わせるために電池式のパワーパックで対応しました・・・使い心地は最悪で恐らく捨ててしまいましたが)


後発であるトミーは前段階としてバックマン製品を輸入して市場の感触を得ようとしていたのでしょうか?
その後、パッケージにトミーナインスケールの文字が入り、日本色のCタイプディーゼルや客車を出し、国鉄型機関車・貨車を香港製で出し、そしてTOMIXブランドでトータルシステムの提唱を行うに至るのですが、これはトミー名もない初期のものです。


 

さっそく走行させてみます。

固定式線路ですが・・・ジョイナーがグラグラなので、ペンチで軽くカシメます。この作業は力加減が大切です。


前作業が終わったところで線路を接続します。
グラグラ・・・道床も接続ガイドもない固定線路同士の接続は細心の注意が必要です。線路をつないでいる間にさっきつないだ線路が外れている・・・なんて話はしょっちゅうです。(笑)
小判型になりましたが、個々の線路の歪みで多少たわんでます。ジョイナーで無理無理で矯正しています。やはり板打ちが基本ですからね。

付属のリレーラーを使い、貨車→機関車の順に線路に載せていきます。その際にも台車のピンが取れたり、カプラーが変な方向を向いていたりとスンナリとはいきません。

ようやく準備が終わり、ゆっくりパワーパックを操作します。


・・・動きません。(笑)


バックマン製品は電圧が高めなのでこの程度では動きません。結局、最大出力でトロトロ動く程度です。期待して買った子供(か大きな子供)は大きく落胆するかもしれません。
ただ、現代の鉄コレとかだと猛ダッシュで暴走すると思います。



因みに購入したもののオマケとしてバックマンの直線線路と積水金属のポイントが付いていました。

 

バックマンの線路は箱にトミーのシールが張られ、ナインスケール黎明期のものであることが推察できます。ポイントはアトラスから国産に移行した頃のものでしょうか?
ともあれ、これだけあればかなり大きなレイアウトが作れそうですね。

直線はこれ以上つなぐと線路のたわみで破断してしまいそうなので、ポイントから引込み線の『定番』レイアウト風にしてみました。
とはいえ、ギャップがないので単に分岐だけです。


・・・と、パワーパックが「ブーン」と軽い異音を鳴らし始めたのでここで運転は終了、古いパワーパックなので無理は禁物です


ここで車両は走行ベースに移し、現代の環境(とはいえ10年以上前の)で運転です。
線路やパワーパックは時代を感じさせるものでしたが、車両は現役で動きます。

・・・全然シチュエーションが異なるんですが、すんなり似合ってます(笑)


電圧高めのモデルですが、KATOのパワーパックDXなら充分です。古いモデルですが低速から高速まで順調に走行します。そのうちに古い油が溶けてきて(あくまでイメージ)、独特の香りを漂わせます。この匂いが懐かしいんですよね。


バックマンでは生産が中国に移りながらも、このタイプの機関車・貨車は現代でも引き続き生産され、ほとんど同じような編成でなんと今でも販売されています!


線路は道床付きの「E-Z TRACK」に、コントローラーも一般的なツマミとスイッチのみの使いやすい形状のものに変わりましたが、機関車も貨車も当時のまま(無蓋車と家畜車は減車の模様)、とても感心させられます。

『子供の頃に遊んだものだ。だから息子にも。』

って世界が日本でも出来るよう、国内各社とも入門モデルの低価格化と手に入りやすい形での恒久的な販売を願います。


2012/11/0508掲載