アーノルド・2-6-0テンダー機

 

先日水色のヘンシシェル型ディーゼルを購入したお店で、またも外国製機関車を見つけました。しかも蒸気機関車です。


最初見たときはイタリアのリバロッシが作っていた”sifter&tender”かと思いましたが、よく見ると先輪があり、動輪も3つです。

それに、見慣れぬ金色のダイヤモンド型煙突にベル、そしてカウキャッチャー・・・中村精密の弁慶ともバックマンの古典機とも異なるようです。

値段もパッケージがなくソコソコの値段だったので購入してみました。

 

 

例によって考察タイムです。
裏返してメーカー銘を見ると・・・・

Arnold Serie 2
W-GERMANY


とあります。フォルムからてっきり米国型かと思い込んでいましたが、意外や意外、西ドイツのアーノルド社のものでした。
翻訳すると(もちろん翻訳ソフトのチカラを借ります)、アーノルド・シリーズ2という意味のようです。(写真は外部サイトより)
 


更に調べてみると、塗色こそ違いますが当該の機関車が出てきました。
Arnold-Rapido 2-6-0 Mogul”・・・だと思います。
http://www.spookshow.net/loco/arnold260.html
 (外部サイトから)


翻訳すると「アーノルド社のモーガル(2-6-0)型・急行列車用機関車」、特定のモデルは不詳のようです。もともと0-6-0の機関車があり、そのバリエーションとして先輪を付けたもの、というのが私の想像です。(バックマン製品にも同様な例があります)

 


小型の機関車ですが当時のモーターは大型のキャラメルモーターであり、キャブ前方には不可思議な「こぶ」ができてしまっています。

 

これはバックマンの後期”sifter&tender”にも同様の措置が採られています。この辺が日本のSLの「ボイラーを太くして調整する」とは大きく異なるところですね。

この機関車は「不動ジャンク品」と言う事で格安でしたが、原因は単純でした。公式側の第三動輪を見ると・・・動輪内側にあるはずの集電シューが飛び出ています。

 

何かの弾みで出たのか、分解して組み上げた時にミスしたか・・・これが引っかかって動かなかった可能性があります。

さて、分解・・・
車輪押さえの蓋を外し(先日のヘンシェル型ディーゼルもそうですが、西独製のものは極小マイナスドライバーが必須ですね)動輪を一旦外します。軟質プラ製ロッドはピンで圧入しているものではなく、ロッド中間付近で内側に軽く押さえるようになっているだけです。なので、簡単に外れるようになってます。
飛び出たシューを収め、再び組み上げました。線路に置き、電気を流すと・・・

やや走行音は大きいですが、電圧高めで快調に走行します。この辺りの堅牢感は、さすがドイツ製だよな、と感心させられます。

 


問題も解消・・・と言いたいところですが、肝心の動力をまだ拝んでいません。動輪裏を開けた時、ボイラーまでは外せませんでした。

何といっても怪しいのが「いかにも」な真鍮製ダイヤモンド煙突です。持って軽く回してみると・・・やはり、コレが車体押さえのネジになってました。ボイラーはホワイトメタル製で重り兼用、前梁と一体のカウキャッチャーも外れました。

 

動力はオーソドックスな構造ですが、ウォームギアの前方に茶色いコンデンサがあるのが珍しいです。
当時としては小さなモーターですが、やはり限界がありキャブ前部のこぶが出来てしまいます。
あと、珍しいなと思ったのがテンダーとの接続方法です。機関車から伸びるドローバーの丸い先端をテンダーの一部カットしたカプラーポケットに差し込むようになっています。これですと、テンダー台車は1種類で良く効率的という考えからなのでしょう。


これから少し手入れをしていきたいと思いますが、太く短い手すりの交換と前面の数字の色入れは最低限行いたいですね。
派手な色合いも似合いそうですが、この黒一色(煙突は金ですが)のシブい感じも捨てがたいです・・・

 

 

2013/07/2429掲載