謎の機関車

 

先日、中古屋で見つけたものです。
見掛けた瞬間、その流麗なデザインに魅了されました。

 

車体は銀色に赤青の「アムトラック」風の帯がシールによって貼られ、それ以外の表記はありません。通常ですと赤や黄色・茶色や黒などで派手にペインティングされているように思えますが、極めてシンプルです。
車軸はCCの六軸。とはいえ同様の配置であった国鉄時代の試作機DF90より遥かに大きいです。


我が家でもバックマン製の外国型を数量持っておりますが、EMDF7と全然印象が異なります。
「コレはどこのメーカーなんだろう?」
と裏を返して目に飛び込んできたのが・・・



[ C O N
C O R ]
[MADE IN JAPAN]

「???」

謎が深まります。
日本製の外国型機関車、とても興味を惹かれ、購入したのでした。

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家に帰ってまず分解です。
動力はネジでの固定ではないようです。メーカー銘?の書いてあった床下機器をこじって車体側板の梯子モールドから外します。そうするとスルッと動力が抜け落ちます。梯子のモールドをストッパーに使っているあたりにセンスを感じます。


分解してみると、台車を車体左右のダイキャストで挟み、絶縁した上で更にダイキャストを被せています。

ライトはかなり古いものですね・・・基盤等はなく、端子をねじで挟んでいるようです。


動力の構造を見てみると、おおよその見当がつきました。

ねじで組まれた台車をダイキャストで挟む構造、ギヤーの形状、モーターの形、カプラーポケット・・・

20111018_1.jpg

決定的なのはその独特の「台車と一緒に可動するスカート」でしょうか?


関水金属(KATO)の初期の製品(機関車・電車・気道車)は、みなこのような構造をしておりました。

初期のキハ20103系の頃の角型モーター・ねじ止め動力台車・カプラー周り、EF70EF65などの電気機関車でお馴染みの「台車一体型スカート」。まさに日本型と並行して作っていたものでしょう。ライト周りは日本型でも当時点灯するものは僅かであり、苦労した事でしょう。

参考までにキハ20初期型より、角型モーター(上)

 

ねじ止め台車(右)

 

首振りスカート製品からEF66です。


さて、ここからはインターネットで世界の情報を集めることになります。
アメリカ型であることは間違いありません。フォルムが所持しているEMDF7に似ております。全体的な配置も似ておりますが、EMDでは見当たらず・・・


CON
CORという会社名、日本のそのメーカーと思われる会社名を入れて検索したところ・・・

やはり思ったとおりでした。ALCO社のDL-109型機関車ということが判明しました。
識者のサイトによると、日本型Nゲージを世に輩出した数年後、積水金属はCONCOR社と提携し、20年ほど生産を行っておりました。


http://img.traintrain.jp/image?id=1936865

ただ疑問も残ります。今回購入したこの配色について、実車も含め全く検索に引っかかりません。

もしかしたら「タイプ」としてのカラーバリエーションかも・・・バックマンのCタイプディーゼル然り、マイクロエースの世界の列車カラー然り・・・

多少手を入れれば今の製品と遜色ない出來になるかも知れません。スカートを切り離して先端をダミーカプラーにするだけでも効果大です。出来ればLEDにすると格好良いかも・・・

 

ある程度考証を終え、すっきりした気分です。
それはともかく、この機関車に牽引させる客車は何にしましょうか?
マイクロエースの10系客車(アムトラック色)なら銀色同士でピッタリでしょう。
持っていないですが・・・意外にカシオペアも合うかもしれませんね。
装飾のないシンプルな状態なので国産型も引けそうです。大きさなら亜細亜号客車も良さげです。

写真は比較として並べてみたものです。


D51498号機と。同じ時期に生産されていた主力機関車ですが、色んな方が仰っている様に、これでは太刀打ちできませんね・・・


新幹線0系と並べてみたもの。ほぼ同サイズですね。新幹線が機関車方式を採っていたなら・・・と想像させます。


中間車をつなげてみましたが・・・意外に似合います♪

機関車を新幹線色にするか、中間車を銀色にするか・・・どちらも面白そうですね。

 

 

2011/10/1820掲載