中華ブラシ導入

 

アネスト岩田キャンベルのエアーブラシ/コンプレッサーの新品セットを購入しましたが、選択肢の一つとして最後まで考えていたのが「中古コンプレッサー」と「中華ブラシ」のバラ買い、という方法でした。これは最終的に静音と長期的な使用を重視したこともあり断念しました。

しかし、エアーブラシ本体を購入した直後にオークションで中華ブラシ、しかもトリガータイプが安く出ていたので購入しました。ポイント等を使って送料込・2千円ちょっとです。
(写真は商品ページから)


中華ブラシ・・・これはヤフーオークションやアマゾン等で売っているノンメーカーもののエアーブラシの俗称で、メーカーのエアーブラシの金型をコピー、または製造過程の検品漏れ・デッドストック分を組立て販売している「ノークレーム・ノーリターン」の商品です。
安いですがそれなりの整備知識・補修技能がないと銭失いになるので注意が必要です。まともに動かなくて捨ててしまった、という評価も少なからずありますから。

私はというと高校時代にタミヤのベーシックコンプレッサーを使い始めてから20年以上になります。それぞれの部品の意義や動作もそれなりに把握しているつもりです。現在のハンドピースタイプも良いですがずっとトリガータイプで慣れていたので、リスクを承知しつつ購入しています。

購入してから3日ほどのち・・・中華ブラシがやってきました。

 

到着した商品を見ると、想像通り「どこかで見た」感が・・・

 

アネスト岩田キャンベルのトリガータイプ、MX2960そのものです。(またはエアテックスMJ116

 

見た目で唯一違うのはグリップ部ですが、金属の基部に掛かっている簡単なプラパーツなのでここだけ別製品から持ってきた(たぶんコピー)のでしょう。(同じ中華ブラシ別タイプも出回っていますが、そちらのグリップが怪しいです。)

 

箱の内部の部品もレイアウトも近似(ちょっと位置は異なる)しており、ほぼ間違いなくこの商品が元であると思います。
とはいえ近似、というだけでネジ径等が異なる可能性があり、互換性は不明です。部品取りとして買っても役に立たない可能性があります。
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もちろん本物は刻印があり、プラ製グリップ下端が窄まるような形で出っ張りなし、トリガー部の材質が梨地加工されたアルミ製?と、メッキ輝度を含め精度ははるかに上です。

後の付属品も同様、ミニホース規格のチェンジアダプターとホース直接捻じ込み用のアダプター、ノズル先部品を外すレンチです。

 

トリガータイプに限らず、まずは分解して中華油(マイクロエースのギアとかにあるアレ)を拭き取り、タミヤのグリースで摺動部をグリスアップします。最初トリガー部の戻りで引っかかりがあったのですが解消されました。


このトリガータイプのエアーブラシは元と疑われるアネスト岩田キャンベルのものと同様、エアーと塗料が同時に出るシングルアクションです。

エアテックス・KIDS105(台湾製のタミヤベーシックブラシのダブルアクション版)で使い慣れていたこともあり、ダブルアクションに調整します。
調整は簡単で、エアーブラシ後端の黒い軸部分を緩めて外します。中にニードル後端、そしてネジ式のニードル押えが見えます。
コンプレッサー本体に接続し電源を入れ、ニードル押えを緩めた状態でトリガーを5mmほど引きます。これでシューッと空気が抜けていることを確認し、ネジ押えを閉めてニードルを固定します。

 

吹出口先端のカバーを外してニードルの動作を確認します。
コンプレッサーの電源を再び入れ、エア漏れがないか確認します。そしてトリガーを握り少しだけトリガーを引きエアーを出します。この際にニードル先端が動いていないことを確認します。動いていたら塗料が出てシングルアクション状態なので再調整になります。
動いていないのを確認したら更にトリガーを引きます。ここでニードル先端が動き、塗料が出る状態です。このように調整出来たら疑似ダブルアクションの完成です。


もちろん引きしろの幾分かをエアー噴出用に使いますので引きしろの全開の幅は若干細くなります。とはいえ細かな鉄道模型ならば気にならないと思います。

 

いきなりですが・・・今回は水性アクリジョン塗料にチャレンジします。
以前留萌キハの塗装(「新型水性塗料(アクリジョン)を使ってみる」参照)でチャレンジしましたが、缶エアーと吸い上げ式エアブラシという慣れない環境ではアクリジョン塗料の特性をうまく把握できず、厚ぼったい無様な出来となってしまいました。

今回は圧力の高さのあるコンプレッサーと細かな調整の効くエアブラシで再挑戦です。色も前回同様のものを使い、効果を比較します。
素材は・・・前回同様、無塗装の鉄コレボディです。


前回は隠ぺい力の弱さという弱点から、明色であるタンから吹き付けます。薄め液はどうもうまくいかないので少量のみ足しています。(そもそも塗料自体がサラサラなので必要ないかも・・・)


吹き付けは圧力調整せず、塗料の吹出しを最少量にして薄く、薄く吹き付けていきます。前回の吸い上げ式バジャーよりも細かいミストなので、ベタ吹きの必要はなさそうです。
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回吹き付けてもまだらですが、地道に仕上げていきます。

マスキング作業ではアクリジョン塗料が安物マスキングテープ内に浸透するという失敗から、タミヤの良い奴を使っています。浸透しやすいドア部にはマスキングゾルを併用しています。


濃色のルマングリーンを吹き付けます。こちらも薄く、薄くです。ホコリの付着等もあったので乾かして削り、また薄く吹き付けます。


現在多湿のため、水抜きドレンを通過した水滴がエアブラシから出てきてしまいましたが、ドレン内に綿を詰めたら解消されました。
幸い塗装に影響はありませんでしたが、今後はエアコン等で除湿を行ってからにするか、エアブラシ直前に水抜きをもう一つ付けた方が良いのかも・・・

 

乾いたらマスキングテープを剥がします。今回は丁寧に行っていたのでほぼ修正なしでOKです。
今回つや消しクリアーもアクリジョンです。が・・・


何か見たことのないビン内の様相に躊躇・・・
少し多めに薄め液を入れ、薄く薄く吹き付け・・・問題なさそうです。
一段階色調が明るく(白っぽく)なるようですが、しっかりとつや消しコートになり、乾燥もとても速いです。乾燥後の塗膜も強いですしコツさえ掴めば・・・もう少し使ってみましょう。

屋根もアクリジョンのグレーを軽く吹いて組立て、最後にヘッド・テールライトに色刺しして完成です。


今回サンプルとして軽く吹いてみましたが、なかなかいい仕上がりとなりました。動力化して「ならしの電鐡(架空鉄道)」の一員に加えましょうか。


中華ブラシは十分に使えそうです。慣れていたトリガー式なので思うように扱う事ができました。
ただ他の塗料との特性は分かりません。今後も使っていって気になったことがあったら連絡したいと思います。
もう一つ欲しいな・・・と思いましたが、過剰な投資は禁物、現状では十分かつ最上の塗装道具が揃ったので、いろんなものの塗装にチャレンジしたいです。

 

 

2015/08/03掲載